Tuesday, January 18

ガイアックス (燃料)

ガイアックス(
ガイアックス(GAIAX)とは、かつて日本で発売されていた高濃度アルコール燃料のブランド名。1999年(平成11年)頃からベンチャー企業であるガイアエナジー株式会社が韓国より輸入し、販売を開始した。
2003年(平成15年)8月28日から、揮発油等の品質の確保等に関する法律により販売が禁止されている。

成分 

環境省の分析によると、炭化水素分49.3%、イソブタノール 21.2%、イソプロパノール 12.0%、添加剤としてオクタン価向上剤の MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)が17.4%であった。
原料は天然ガスであるとされる。
製造業者が主張するメリット 

製造業者側は次のようなメリットを掲げて販売していた。
自動車、ガソリンスタンドなど、インフラが現状のまま利用できる。
添加剤の使用によりアルコール燃料の欠点であるゴム、金属の腐食を抑える。
アルコールの洗浄作用により排気系がクリーンになる。
排気ガスがクリーンである。
揮発油税の課税の対象外であることから安価である。
ハイオク仕様車にも利用できる。
ガソリンと混用できる。
販売状況など 

アルコールの持つ熱量がガソリンに劣るため、ガソリンと比較して燃費が相対的に低い。このため設定価格によっては、レギュラーガソリンと価格面での優位性が弱い、あるいはない場合がある。
一般のオートバイ、ロータリーエンジンを搭載したマツダ車、水平対向エンジンを搭載したスバル車は、相性上の理由により給油が拒否されていた。また、比重計測による残燃料計を搭載する車への給油も推奨されていなかった。
ガイアックスをめぐる議論 

高濃度アルコール燃料については、それまで日本国内での流通がなく、またこのことから日本国内で使用される自動車はこのような燃料の使用を前提とした仕様になっていなかったため、次のような問題を引き起こした。
税負担について 
高濃度アルコール燃料については既存税制の想定外であったことから、軽油引取税の対象とするのか、新たに揮発油税の対象とするのかという議論が生じた。結果として各自治体が軽油引取税を課税したことから、これを不服とした訴訟が各地で提起されたが、2006年(平成18年)に最高裁判決で課税処分は適法であるとの判断がなされた。
車両に与える影響について 
2000年(平成12年)頃から高濃度アルコール燃料を使用した車両からの火災事故が発生した。自動車会社各社は、高濃度アルコール燃料が燃料パイプなど、鉄製部品やアルミ製部品の腐食の原因となることから自社製品に入れないよう警告を発表している。この件に関しては自動車工業会、国土交通省、経済産業省、末端ユーザーを含めた論争になり、製造業者側も自社研究資料で反証を行った。
環境に与える影響について 
2001年(平成13年)3月、環境省がガイアックスが環境へ与える影響について調査結果を発表した。これによると、ガソリンと比べ、一酸化炭素及び炭化水素の発生量は低いものの、窒素酸化物、アルデヒド類の排出量は増加する傾向を示した。こちらでも、製造業者側と環境省が試験の手法について対立した。
流通の終焉 

複数の販売会社が参入し一時的に市場が拡大、活性化したものの、高濃度アルコール燃料の問題についての報道やトラブルの風聞が広がり、徐々に販売の増加ペースが鈍化した。
2003年(平成15年)、安全上の理由から燃料の品質を規定する「揮発油等の品質の確保等に関する法律」が改正され、ガソリンへのアルコール等の混合許容値は「エタノールは混合率3%まで、その他含酸素化合物は含酸素率1.3%まで」と定められた。これにより高濃度アルコール燃料の販売が禁止されることとなり、高濃度アルコール含有燃料販売業者は一挙に減少した。
2010年現在、ガイアエナジーは自身のホームページのアドレスを売りに出しており、現在の動向は不明である。
バイオガソリンとの相違 

温暖化対策の一環として普及促進が検討されているバイオエタノール混合ガソリン(いわゆるバイオガソリン)は、植物を原料とするエタノール(エチルアルコール)を用いられるのに対し、ガイアックスに含まれるアルコールは天然ガスを原料としたメタノール(メチルアルコール)が用いられているとされる。したがって、ガイアックスは化石燃料の一種であり、カーボンニュートラルとは考えられない。
高濃度アルコール燃料の種類(商品名) 

ガイアックス
エピオン
イクシオン
ゴールドライズ
ジンガー
エルニーニョ
クリアス
クリアスネオ
シアース
グリーンフュエル
ECO(エコ)
このうちエピオンを出していたのはガイアックス株式会社であり、非常にややこしい。これは同社がガイアエナジーの元販売代理店だったものの契約が破棄されて独自展開をするに至ったためである。
も参照してください

See also


(ソース:ウィキペディア)

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